【新世界の産地】アメリカワインの豆知識

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ワイン生産量が世界第4位まで上り詰めたアメリカ.
「禁酒法」という暗黒時代を経て,
旧世界のワインとも同等に戦えるほど高品質なワインも誕生している.
この記事ではアメリカワインの歴史やワイン法などを紹介します.

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アメリカのワイン

カリフォルニア州を中心にほとんどの州でワインが造られており,着々とワイン市場を拡大しているアメリカ.主要産地は他にオレゴン州,ワシントン州,ニューヨーク州,ヴァージニア州といった西海岸と東海岸の一部とに集中している.海岸部に生産地が多い理由は,アメリカ内陸部は非常に乾燥しており,気温も高すぎるためブドウの栽培には適していないためである.

ブドウ栽培面積41万8000ha
年間ワイン生産量305万2740kℓ
国内年間ワイン消費量360万kℓ
主要品種<赤>
カベルネ・ソーヴィニョン,メルロ,
ジンファンデル,ピノ・ノワール,
シラー

<白>
シャルドネ,ピノ・グリ,リースリング,
ソーヴィニヨン・ブラン

禁酒法

かつてアメリカでは飲酒を禁止する法律がありました.19世紀中盤以降,酒場での飲酒を伴う風紀の乱れが問題になり,社会情勢や政治勢力とともに禁酒運動が全国的に広がった.そして1920年から1933年まで国家禁酒法が施行され,酒類の販売と製造・輸送が禁止された.これによってアメリカのワイン産業は衰退し,多くの酒類製造業者や流通業者が廃業に追い込まれた.その後1929年に起こった世界恐慌をきっかけに,禁酒法に対する不満の声が高まり,1933年に禁酒法は撤廃されました.

パリスの審判

アメリカのワインが世界的に有名になったのは,1976年に開催されたブラインド・テイスティングのイベントがきっかけとなった.
このイベントはフランスとカリフォルニアの銘醸ワインを比較するものだった.
フランスが出品したワインは,高級ワインの生産地であるブルゴーニュのグラン・クリュやボルドーの1級格付けワイン.
一方アメリカはカリフォルニア州のナパ・ヴァレーのワイン.
結果はなんと,アメリカがフランスのワインを抑えて1位に輝いた.
この結果が世界中に衝撃を与え,カリフォルニアワインの品質の高さが認められるようになった.
1986年と2006年に改めてリターンマッチが行われたが,結果は同じくカリフォルニアワインが上位を占めた.

ワイン法

アメリカにもワイン法が存在し,1978年に制定されました.
商業取引管理局(TTB)が産地の規定や表示,ブドウ品種と収穫年度の記載などを規制し,品質管理をしている.

AVA(米国政府認定ブドウ栽培地域)

AVA(American Viticultural Areas)という,一定の地理的・機構的なブドウの栽培条件を持つ産地エリアの境界線を規定するものがある.AVAは複数の州やカウンティ(郡)にまたがっている場合が多い.それはアメリカの州の境界線は,緯度や経度等によって直線的に引かれたものが多く,歴史的・地理的要因が考慮されていないためである.この規定はヨーロッパのワイン法のようなブドウ品種,栽培方法等を規定するものではなく,ワインの格付けも存在しない.

まとめ

アメリカのワインの歴史や法律についてまとめました.
・年間ワイン消費量は生産量よりも多い
・「パリスの審判」によってアメリカワインが飛躍的に有名になった
・格付けは存在せず,AVAと言う産地エリアの境界線の規定がある.

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